不眠への対処

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がんを治療している間の不眠は以下のような原因が考えられます。

  • 不安感や気分の落ち込み
    がんと診断されたことやどのような治療が行われるのか不安なために、寝つきにくくなることがあります。
  • 周りの物音や環境の変化
    病院やホテルなどの慣れない場所だと眠りにくくなります。眠れなくなる原因として、患児が疲労感を訴えている場合や夜中に誰かが病室に出入りした回数が直接関係することが研究結果からわかっています。
  • 運動不足
    あなたのお子さんは病気になるまでは活発に動き、歩き、遊び、走り回っていて、夜は疲れてぐっすり休んでいたはずです。入院するとこのような活動がなくなるので寝つきにくくなります。米国では、入院して化学療法を受けている患児の活動量を増やして眠りにつきやすくするためのプログラム(Hindsほか著、2007年)があり、その中でエアロバイク(※訳注:ジムなどで使われる自転車型の運動器具)による定期的な運動を取り入れています。
  • 薬剤
    幼い患児に処方される多くの薬、特にステロイド剤は、子どもの睡眠や行動を著しく妨げることがあります。

お子さんが眠れない場合:

  • おそらくあなた自身も眠れないでしょう。
  • イライラしやすくなったり、反応が鈍くなったり、欲求不満がひどくなる、うんざりしている、不機嫌になるなどの症状が出ます。
  • その結果、治療の一部を受けられなくかもしれません。

あなた自身が眠れない場合:

  • 患児への適切な対処ができなくなる可能性があります。
  • イライラがひどくなって、不満を爆発させやすくなり、短気になります。
  • お子さんの治療に関して受けた重要な事柄を理解できない、的確に質問することができない、決断できないことがあり、さらに、患児や他のお子さん、配偶者に対して寛容でいることが難しいと感じることがあります。
  • 病院のスタッフに対しても腹が立つことがあります。
  • あなたが病院で寝泊まりをしている場合、付添をしない配偶者が家で寝ることを恨めしく感じるかもしれません。

注意すべき症状:

  • 夜になっても寝ようとしない、もしくは眠りにつくのを嫌がる。
  • 眠れない、または夜中によく目が覚めると訴える。
  • 摂取した薬の作用で想定されるよりも長時間、日中に眠ってしまう。
  • 薬の作用を考慮したとしても、それ以上にお子さんが疲れていて、日中も眠気を感じている場合。また、化学療法中に薬の量が変わった時には、薬の作用によるものなのか、不眠の問題があるのか、あるいは抑うつ状況にあるのかわからないことがあります。このような症状が起きたら、主治医に相談して原因を見極めてもらってください。

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患児の睡眠のために

  • 病院のスタッフに不眠のことを知らせてください。今使用している薬に眠りを妨げる成分が入っていないかどうかを確認しましょう。もし入っているのであれば、他の患児の家族はどのようにこの問題に対処したのか、解決法を探しましょう。
  • 児童心理の専門家やソーシャルワーカーを探してください。彼らは、何が不眠の原因なのか、そしてどうしたら良くなるのかアドバイスをしてくれます。
  • 良く眠ることがとても大切であることをお子さんに話してください。そして、早く眠れるようにするために必要なこと(例えば病室に扇風機を入れるなど)を聞いてみましょう。特に、夜寝つく時間帯の心配事を減らす方法を探してあげてください。例えば、小さな人形を使って、心配事をそれぞれの人形に担当させるのも一つの方法です。その人形たちを夜寝る時に箱に入れ、人形たちが代わりに心配してくれているので、夜の間は心配しなくても大丈夫とお子さんに話してあげるのです。心配事の内容を打ち明けるかどうかはお子さんに任せてあげてください。
  • 他の患児の親御さんと話をして、自分や子どもたちの不眠にどのように対処したかを聞いてみましょう。
  • お子さんがもっと快適に過ごせる方法を考えてみましょう。家で寝る時に使っているシーツ、枕、ぬいぐるみ、本、テープやCDなどを持ちこんで、病室でも普段と変わらない睡眠の環境を作ってあげてください。
  • 睡眠薬を処方してもらえるかどうか主治医や他のフタッフに相談してみてください。
  • お子さんが疲れてぐっすり眠れるような軽い運動やの他の院内プログラムがないかどうか探してみましょう。もしあれば、お子さんを参加させることができるか医療スタッフと相談してください。
  • 市販の睡眠薬を使用することもできますが、そうした薬を使う場合は、必ず小児がんの主治医に事前に相談してください。
  • 眠る前にリラックスできるような音楽を聴くのも良い方法です。病室が相部屋の場合には、その患児の家族と、部屋の電灯やテレビ、ラジオなどを消す時間について話し合いましょう。
  • 寝る直前に家へ電話する習慣があるのなら、もっと早い時間に変えましょう。そうすれば、お子さんは寝る直前に興奮したり動揺したりしません。
  • 眠りにつく前にしばらく静かにする時間を作り、不安なことや気懸かりなことを日記につけると役立つことがあります。
  • カフェインが入っている飲料は控えましょう。日中にカフェイン入りの飲料を摂ると、その日の夜に寝つけなくなることがあります。
  • 生活リズムを作りましょう。寝る前に家で行っている習慣を、可能な範囲内で病院でも同じように行うのは良いことです。決まった動作をすることで、寝る時間なのだということが理解できます。
  • 眠るのにふさわしい静かな場所を作りましょう。機械が鳴る音や廊下の足音など病院には沢山の騒音がありますが、寝るのにふさわしい静かな病室にするために出来ることはいくつかあります。寝る時にはテレビを消しましょう。お子さんの好きな番組がある場合は録画しておくか、その番組が終わったらスイッチを切ってください。お子さんが音を消してテレビを見るのが好きな場合は、代わりに優しい感じの音楽をかけたり、自然界の音(風や雨や波の音、交通騒音などが入ったCDなど)を聞かせたりしましょう。
  • 夜間の巡回については、眠っている子が目を覚まさないように行うように看護師にお願いしてみましょう。

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親御さんの睡眠のために

  • あなた自身の不眠の問題については、病院のソーシャルワーカー、臨床心理士、あるいは心療内科医や精神科医に相談するとよいでしょう。そのような専門家は、眠れない理由をあなた自身が理解するのを助け、眠れるようにリラックスするための方法をアドバイスしてくれます。瞑想したり安らげる場所を想像したりすることは、あなたがリラックスし、眠りにつくのに良いことです。
  • 睡眠薬を使う場合は、かかりつけ医や診療内科医、精神科医などに相談してください。
  • 病院で付き添っている親御さんは、自分が熟睡してしまうと、お子さんの具合が悪くなった時に気がつかないのではないかと心配しています。どういう時に声をかけてもらうか、看護師と相談して決めておきましょう。そうすれば、十分な睡眠をとっても、必要な時には適切に動くことが可能です。
  • たまには家に帰りましょう。慣れた環境と自分のベッドで眠ることができます。これで少なくとも数日間に1回は騒音のない良質な睡眠を得ることができます。また、できれば病院の外を歩くことや、階段を上るなどの運動をしてください。家にいる場合は、ジムかプールに行くために1時間ほどお子さんを見てくれるように友人に頼んでみましょう。運動することであなたは気分が良くなり、よく眠れるようになります。

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【参考情報】 病室の他の患児について

入院中の他の患児や家族と知り合うことは非常に楽しく、悩みが和らぐことでしょう。がんと闘っていく上で、様々なことを学ぶことができます。しかしながら、これが裏目に出たと感じることもあります。例えば、親しくしている患児の具合が悪くなったり、再発したり、亡くなったりした場合には、あなたやお子さん、その他のご家族は非常に動揺することになります。

自分の子どもの具合が悪くなるかもしれないという不安や悲しみを思い浮かべないようにする方法を見つけることは難しいので、自分の子どもと他の子の状況を区別しようとするのは自然なことです。よく似た状況の場合には、一つのことがある人にとっては悪い方向に進んでも、別の人ではそうならないことがあり、その理由はわからないと認識しておく必要があります。多くの場合は良くなるのだと強く念じることが役立ちます。

他の子の具合が悪くなったり亡くなったりすると、返答することが難しいものも含めて、お子さんは様々な質問をすることでしょう。お子さんの質問に自分で答えるのが難しいと思ったら、家族や治療スタッフ、精神科医、心理カウンセラーなどの専門スタッフの助けを借りてください。お子さんが少しふさぎこんで、しばらくの間ひきこもることもありますが、これもまた正常な反応です。怖い知らせを受け入れるための心の余地を与え、お子さんが話したいと思う時にはあなたがそこにいると教えることが大切です。あるいは、本人が望むのであれば、他の人と話すのも良いでしょう。数日経ってもお子さんがまだ進んで話そうとしない場合には、あなたは精神科医や心理カウンセラー、看護師に自分の不安について話したいと思うでしょう。

経過が良くない患児の親に話しかけるのも難しいことです。しかし、自分たちが受けてきた治療が適切だったと実感できるので、亡くなった患児の親でさえも、皆、回復する子どもたちを見ると大抵は安堵します。現状を気の毒に思い、あなたが心配しているということをただ単純に言葉で伝えるか、文字にするだけで十分です。一緒に入院している場合には、何か必要なものがないか、お茶を飲みに行かないかと尋ねてみてあげても良いでしょう。このようなことをするのがいかに難しいかということを病棟の他の親たちや精神科医、心理カウンセラーと話しておくと、実際にこのような困難な状況を迎えた時に役立ちます。

 

行動面の問題

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