治療終了後6ヶ月~1年

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この頃までに、ほとんどの患児は血球数が正常になり、通常は1年が経つ頃までに免疫系の機能も正常に戻ります。

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熱が出たり具合が悪くなったりした場合の対処方法

治療終了から6か月が経過した後で起きた発熱や小さな病気に対しては、通常、他の健康な子どもと同じように管理します。つまり、睡眠による休息と解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)の内服などの対症療法を行うことを意味します。熱が38度以上ある場合やとても具合が悪そうに見える場合には、かかりつけの内科医か小児科医を受診すべきでしょう。

子どもによくある咽喉痛や頭痛であっても、小児がん経験者の場合、心配するなというのが無理な話です。がん治療を受けた患児の親御さんにとって、将来の見通しの中に「普通の小児疾患」まで留意しておくのは簡単なことではありません。しかし、子どもは皆、時々具合が悪くなり、休息と対症療法で回復するということを覚えておくことも重要です。

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心配な症状

お子さんに以下のような症状がある場合は、がん治療を受けた病院の医療関係者に連絡してください。

  • 長期間続く38度以上の熱
  • 原因不明の内出血(紫斑)
  • 早朝に繰り返される頭痛や嘔吐
  • リンパ腺の腫大
  • 精神状態の変化、およびそれに伴う行動の変化(動作が緩慢になるなど)
  • 腕または脚の原因不明の衰弱
  • 排尿・排便習慣の変化
  • 夜中に目が覚めてしまうような痛み

質問事項や気懸かりなことが何かある場合は、遠慮なく担当の医療関係者に連絡をとってください。彼らは質問に答え、助言を与えて、あなたを安心させるためにそこにいるのです。

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活動の制限

一部のお子さんはがんやがん治療による合併症のために治療前にはできたことができないという場合もあるかもしれませんが、できる限り早く日常の活動に戻るように励ましましょう。しかし、受けた治療の内容によっては活動を制限されることもあります。例えば、「アントラサイクリン系」と呼ばれる薬(アドリアマイシンやダウノルビシンなど)で高用量の化学療法を受けた場合には、重量上げなどの運動を医師が制限する場合があります。お子さんに対する活動の制限については担当医に相談してください。

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予防接種などの免疫措置

骨髄移植や幹細胞移植の前処置として使用される量ではない定型的な用量の範囲内で行われる化学療法は、通常、がんになる以前からあった免疫機能を破壊しません。担当の治療チームは、お子さんが予防接種を受けるべきかどうか、あるいは、免疫を増幅する何らかの別の措置が必要かどうかを決めるための検査を受けるように指示します。多くの患児(特に幼い患児)はがん治療の間、定期的な予防接種が中断されてしまうことがあります。ほとんどの場合、いったん失った免疫機能は治療終了後6ヶ月から1年の間に取り戻すことができます。骨髄移植を受けた一部のお子さんは、予防接種を長期間受けることができません。お子さんがいつになったら安全に予防接種を受けられるようになるか、担当医が教えてくれます。

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がん診断の記憶と治療終了への対処

がんと診断された日や治療が終わった日などの記念日は、多くの親御さんに悲しみと喜びの両方の感情をもたらします。やがて親御さんは、お子さんががんから解放されたことへの感謝の気持ちと、この経験がもたらした避けられない損失を悲しむ気持ちとの間でバランスを取ることができるようになります。がん治療による合併症が続いている場合には、不安な気持ちと折り合いをつけなければならないこともあります。

 

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