悪性黒色腫(メラノーマ)の治療

INDEX

病期ⅠおよびⅡの患児への第一選択の治療は手術です。黒色腫がどの程度の深さまで浸潤しているかによって、主治医は生検部位の周囲の正常な皮膚を追加で切除することがあります。また、皮膚の非常に深いところまで浸潤している病期Ⅱの黒色腫の患児の一部には、センチネルリンパ節生検(※訳注)が行われた上でインターフェロンという薬の投与が提示されるかもしれません。

(※訳注:がんの一部はリンパの流れに従って全身に拡がる性質があります。「センチネル」とは「見張り」の意味で、がんが最初に流れ着くリンパ節を「センチネルリンパ節」と呼び、ここで転移が見つからなければ、それ以上のリンパ節の摘出を省略しようとする試みが「センチネルリンパ節生検」です。必要以上のリンパ節郭清は運動障害や知覚異常、浮腫やむくみなどの後遺症を残す可能性があるため、これを避けることには大きなメリットがあります。)

病期Ⅲの患児に対する治療では通常、リンパ節郭清とその後のインターフェロン投与が行われます。

腫瘍が他部位へも転移している場合には、化学療法(シスプラチン、ダカルバジン)、免疫療法(インターロイキン-2、インターフェロン)またはワクチンのような他の治療を加えます。

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臨床研究(臨床試験)

米国では、がんの患児の大部分が臨床研究(臨床試験)に参加しています。このような参加率の高さは小児がんの治癒率を改善するのに不可欠です。 研究者は、治療法を改善し、かつ、がんの性格とその原因について理解を深めるために様々な研究を計画します。臨床試験は慎重に審査され、誰でも登録できるようになる前に正式な科学的手順を経て承認されなければなりません。登録中の臨床試験で、お子さんに“適格性がある”場合には、参加するように依頼されるかもしれません。複数の研究に参加するように依頼されることもあります。

特定の研究への適格性があるかどうかは、年齢、がんの部位、病気の広がりやその他の情報によって判断されます。通常、科学的に有効な研究を行うために研究者は研究対象者が的確かどうか厳密に調べなければなりません。さらに研究者は研究の間、厳密に同じ制約に従わなければなりません。

患児に複数の研究(臨床試験)への適格性がある場合、主治医はそのことについてインフォームド・コンセントのための面談(カンファランスと呼びます)を開いて親御さんと話し合います。親御さんがお子さんを研究に参加させたいと思っているか否かに関係なく、主治医は参加することによる潜在的なリスクや、親御さんが決断するために必要なその他の情報について説明してくれます。研究に参加するかどうかをいつでも選択することができます。

お子さんを研究に参加させることを選んだ場合、主治医はその研究の結果からどのような情報を得ることができるのかを説明します。研究の最終的な結果は、一般の方および他の研究者に知らせるために公表されます。どのような研究においても個人が特定されるような情報は公表されません。

様々な種類の研究について詳しく知るためには、このウェブサイトの臨床研究(臨床試験)の項目を参照してください。

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黒色腫の予防法

黒色腫の一番の対処法は「予防」です。特に日射しが最も強い午前10時から午後4時までに浴びる直射日光の量を制限することで、自分自身と家族を黒色腫から守ることができます。その他、お子さんを黒色腫から守るためには以下の予防策が必要です。

  1. 戸外で活動する時は紫外線防御指数(SPF)が15以上の日焼け止めを塗りましょう。高地にいる場合は、SPFの数値がさらに高い日焼け止めを使ってください。
  2. 身体の中で一番露出している顔への直射日光を避けるため、お子さんには可能な限り”つば”のある帽子を被らせましょう。
  3. 戸外で活動する30分前に日焼け止めを塗りましょう。また、日焼け止めは頻繁に塗り直しましょう。
  4. 日焼けサロンの利用は避けてください。
  5. 変化があった時にすぐに気付くことができるように、お子さんの皮膚を定期的に観察してください(黒色腫の徴候を見つけるため)。
  6. 光に対してお子さんの皮膚をより過敏にする可能性がある抗生物質、非ステロイド系の抗炎症剤(イブプロフェンなど)、特定のにきび治療薬、避妊用ピルなどの薬剤に注意してください。

どうすれば日光を避けることができるのか、また、どうすればお子さんがある種の皮膚がんになる可能性を減らすことができるのかについての詳細は、以下のウェブサイトを参照してください。

http://www.melanoma.com/sun_safety.html (※訳注:英文サイトです。)

米国版の更新時期: 2011年9月
日本版の更新時期: 2012年3月

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