横紋筋肉腫の治療

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横紋筋肉腫では、腫瘍の存在する部位(局所)をきちんと制御する必要があります。これは腫瘍に対して適切な治療が行われることを意味します。横紋筋肉腫の局所管理は、手術のみ放射線治療のみ手術と放射線治療の組み合わせ、のいずれかの方法で行います。局所管理の成否は、腫瘍の部位、手術でどの程度切除できそうか、そして手術結果に左右されます。胎児性型の横紋筋肉腫が手術で完全に取り除かれて、病理医によって切除断端が陰性(腫瘍を切除した際の断端部に腫瘍細胞が存在しない)であると判定された場合、手術後の追加治療はおそらく必要ありません。それ以外のほとんどの症例では、原発部位に腫瘍が再発するリスクを最小限におさえるために、さらに放射線治療が追加されます。

米国では、肉眼的に認められる腫瘍が他部位にも存在する(転移がある)横紋筋肉腫は全体の約15~20%のみですが、全ての患児には肉眼的に確認できない転移(X線検査では検知できないほど小さい病変)が広がっていると考えられます。このため横紋筋肉腫の患児は全員、化学療法を受けます。化学療法では腫瘍細胞を破壊する薬を使います。いろいろながんを治療するために、単独または複数の組み合わせでたくさんの薬を投与します。薬の組み合わせの選択は、がんの種類や進行度で決まります。

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臨床研究(臨床試験)

米国では、がんの患児の大部分が臨床研究(臨床試験)に参加しています。このような参加率の高さは小児がんの治癒率を改善するのに不可欠です。 研究者は、治療法を改善し、かつ、がんの性格とその原因について理解を深めるために様々な研究を計画します。臨床試験は慎重に審査され、誰でも登録できるようになる前に正式な科学的手順を経て承認されなければなりません。登録中の臨床試験で、お子さんに“適格性がある”場合には、参加するように依頼されるかもしれません。複数の研究に参加するように依頼されることもあります。

特定の研究への適格性があるかどうかは、年齢、がんの部位、病気の広がりやその他の情報によって判断されます。通常、科学的に有効な研究を行うために研究者は研究対象者が的確かどうか厳密に調べなければなりません。さらに研究者は研究の間、厳密に同じ制約に従わなければなりません。

患児に複数の研究(臨床試験)への適格性がある場合、主治医はそのことについてインフォームド・コンセントのための面談(カンファランスと呼びます)を開いて親御さんと話し合います。親御さんがお子さんを研究に参加させたいと思っているか否かに関係なく、主治医は参加することによる潜在的なリスクや、親御さんが決断するために必要なその他の情報について説明してくれます。研究に参加するかどうかをいつでも選択することができます。

お子さんを研究に参加させることを選んだ場合、主治医はその研究の結果からどのような情報を得ることができるのかを説明します。研究の最終的な結果は、一般の方および他の研究者に知らせるために公表されます。どのような研究においても個人が特定されるような情報は公表されません。

様々な種類の研究について詳しく知るためには、このウェブサイトの臨床研究(臨床試験)の項目を参照してください。

米国版の更新時期: 2011年7月
日本版の更新時期: 2012年3月

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