体重の増加または減少

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ステロイド剤による体重の増加

プレドニゾンやデキサメタゾンなどのステロイド剤によって体重が過剰に増える場合があります。ステロイド剤は食欲を増進させたり体内に水分を溜まりやすくさせるためです。

  • 体重増加の影響が最も出やすい部位は顔と腹部です。
  • ステロイド剤のせいで空腹になりやすく、頻繁に食べる必要があります。
  • 健康的な軽食を1日につき数回とるようにしましょう。
  • 塩分は体内に水分が溜まりやすくなるので、塩分の多い食品を制限しましょう。
  • 通常、ステロイド剤を止めると体重は元に戻ります。

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体重の減少

多くの患児は、化学療法または放射線治療を行う間に痩せます。治療チームは注意深くお子さんの体重を監視しています。健康状態を維持し成長するために十分な食事を摂れない場合には、後述する栄養療法の導入を主治医と相談してください。

栄養に関する詳しい情報は、「患児にとって栄養が重要な理由」のページを見てください。

お子さんの体重の維持または増加に役立つ方法は以下の通りです。

  • 昼間は2時間ごとに少量の軽食やおやつをあげましょう。
  • ミルクセーキにアイスクリームを加える、トーストにピーナッツバターを塗るなど、お子さんが好きな食べ物に高カロリー食品を加えましょう。
  • 食事中に飲み物を与えすぎないようにしましょう。飲み物だけでお子さんはすぐに満腹感を感じてしまいます。
  • 食欲をそそる風味のある食事を作るようにしましょう。
  • お子さんと一緒に調理しましょう。
  • 食欲を増進させるために食事前に活動するように励ましましょう。
  • お子さんが食べたいときに食べさせてあげてください。
  • お子さんがいつでも食べられるように準備しておきましょう。

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栄養療法(経口摂取法、経管栄養法、完全静脈栄養法)

患児に栄養療法を行う目的は以下の通りです。

  • 栄養欠乏状態の予防または栄養欠乏状態からの回復
  • 正常な成長と発育の促進
  • 合併症を最小限に抑えること
  • QOL(※訳注:生活の質)を最大限に高めること

病気の問題を抱えるお子さんを良好な栄養状態に保つことは難しく、思い通りに進まないこともありますが、解決するための方法はいくつかあります。

経口摂取法:

栄養的な必要性を満たすための第一選択の方法は、経口摂取(食べることと飲むこと)です。高カロリー・高タンパク質の特別食と栄養補助食品(市販のサプリメントや自家製のミルクセーキなど)が役立ちます。しかし、栄養のある物を食べさせようと努力しても、がんのお子さんは体重が十分増加しなかったり減少したりする場合があります。これは、食欲不振が続く場合や、病気や治療により飲食が難しい場合、栄養素の必要量が著しく増加した場合などに起こります。このような状況であれば、経管栄養という方法を併用することが推奨されます。

経管栄養法:

経管栄養では、細くて柔らかいチューブを鼻から消化管に挿入します。一旦チューブを留置すれば、栄養分を直接補給することができます。 経管栄養は必要に応じて病院でも自宅でも行うことができます。親御さんは自宅で経管栄養を行う訓練を受けることができます。

この方法でお子さんに必要なカロリー、タンパク質、ビタミン、ミネラルを100%満たすことができる一方で、チューブを挿入していても通常は口から食べることが可能です。栄養チューブは細く、普通に物を飲み込む邪魔にならないためです。

お子さんが眠っている夜間に経管栄養を与え、昼間には食事をさせるのが最も簡単な方法です。家族や友人と食事をすることもお子さんが社会生活を送る上で大変重要なことなので、経管栄養だけでなく口からも食べさせるようにすると良いでしょう。

必要であれば、吐き気や嘔吐を抑える薬剤もこのチューブから投与することができます。実際に経管栄養が始まると、栄養を摂取できるために気分が良くなることが多く、自ら食べたり飲んだりし始めることが増えます。その他、栄養が直接胃や腸に到達するため、正常な胃腸機能が維持されることもこの方法の利点です。

ごく幼いお子さんは数日で経管栄養に慣れます。年齢が少し上のお子さんや10代の若者だと、外見や社会的な問題に敏感になるため鼻にチューブがあることに慣れるのが難しく、おそらくもっと時間がかかります。経管栄養の経験のある同年代の仲間と話をすることが役立ちます。

学校でも経管栄養を続ける必要がある場合、米国では治療施設のスタッフが学校を訪問し、経管栄養がなぜ必要かについて同級生に説明しています。必要な量を食べられないならば罰として経管栄養を行う、とお子さんを脅してはいけません。また、経管栄養の開始を決めるに際しては、できる限り話し合って、お子さんが納得した上で進めるべきです。

栄養チューブを夜ごとに挿入することも可能ですが、ほとんどのお子さんはそのまま留置しておくことを希望します。退院前に処置を行い、より長期型のチューブを皮膚から直接胃や腸に留置することもできます。

完全静脈栄養法(高カロリー輸液):

適量の食物や液体を飲食できない場合や消化器系に重度の問題がある場合など、経管栄養が必要な栄養素を摂取させるための最良の選択肢ではないこともあります。

このような場合には栄養液(高カロリー輸液)を直接静脈に投与します。この方法を中心静脈栄養(HAL)または完全静脈栄養(TPN)と呼びます。この非経口栄養法は、患者が消化器系の手術を受けた場合、腸が完全に閉塞している場合、重度の嘔吐または下痢が生じている場合、疾患または治療の合併症で食べられない場合、または栄養チューブを胃や腸に挿入できない場合に最も多く行われます。高カロリー輸液は通常、カロリー、タンパク質、ビタミン、ミネラル、水分の必要量を100%満たすことができます。この方法は家庭で行うこともできます。

 

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