二次がん(二次性のがん)

INDEX

小児がん経験者はこれから先の人生において別のがんを発症するリスクがあります。最初のがん治療に関連する複数の要素が二次がん発症のリスクを高める要因となり得るのです。

  • 診断を受けた最初のがんの種類
  • 行われた治療の種類
  • 行われた治療の程度

小児がん経験者の二次がん発症のリスクについてさらに研究することにより、私たちは個人に合わせてリスクを減らすより良い治療を行うことができます。二次がん発症については、現時点でわかっているだけでも、そのリスクを高める特異的な要因がいくつか指摘されています。

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放射線治療の影響

放射線治療を受けたがん経験者は、二次性の固形がんを発症するリスクが高まります。放射線治療後に最もよく発症するのは、以下の通りです。

  • 乳癌
  • 甲状腺癌
  • 肉腫
  • 皮膚癌

このようながんは、時間が経過してから(通常は治療後10~15年以上たってから)発症する傾向があり、放射線を照射された部位に多くみられます。データの大半はホジキン病経験者の分析結果から得られたものですが、放射線治療を受けたホジキン病経験者の約3分の1が最初の治療から25年以内に二次性のがんを発症しています。胸部に放射線治療を受けた女性では特に乳癌発症のリスクが高くなります。二次性の甲状腺癌が多いのは、頚部(※訳注:首)に照射を受けたがん経験者です。

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化学療法の影響

抗がん剤のなかには二次がんの発症リスクを高める可能性がある薬があります。以下は、二次がんに関係があると考えられている抗がん剤の一部です。

  • エトポシド(VP16)、テニポシド (VM26)
  • シクロホスファミド、イホスファミド
  • クロラムブシル
  • ロムスチン(CCNU)、カルムスチン(BCNU)
  • メルファラン
  • ブスルファン
  • チオテパ
  • ダカルバジン、プロカルバジン

上記の薬を治療に使用した人は、血液系のがんの発症リスクが高くなっています。例えば、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫などです。治療後3~10年以内に発症する傾向があり、多くは予後不良です。固形がんの発症に化学療法がどのような役割を果たしているのかは、正確に解明されていません。ある種の固形がんは化学療法後に発症率が高まる可能性があるという報告がありますが、別の報告ではそのような関連性は認められていません。

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がん症候群

遺伝性の小児がんの経験者は、将来がんを発症するリスクが最も高いと考えられています。以下は、がんを発症しやすい遺伝性疾患およびその原因となる遺伝子名です。

  • 家族性網膜芽細胞腫:Rb遺伝子
  • リ・フラウメニ症候群:p53遺伝子
  • 神経線維腫症1型:NF-1遺伝子
  • 神経線維腫症2型:NF-2遺伝子
  • 毛細血管拡張性運動失調症:ATM遺伝子
  • 家族性乳がん・卵巣がん症候群:BRCA-1遺伝子、BRCA-2遺伝子
  • フォン ヒッペル・リンダウ症候群:VHL遺伝子
  • 家族性大腸腺腫症:APC遺伝子
  • WAGR症候群、デニース・ドラシュ(Denys-Drash)症候群:WT-1遺伝子
  • MEN(多発性内分泌腺腫症)2型:RET遺伝子
  • 家族性メラノーマ:p16遺伝子
  • ゴーリン(Golin)症候群:PTCH遺伝子
  • カウデン(Cowden)症候群:PTEN遺伝子

例えば、先天性の網膜芽細胞腫のお子さんは、二次がんとして肉腫を発症するリスクが高く、治療とその時期によってはリスクが高まります。網膜芽細胞腫のために放射線治療を受けたお子さんは、治療後20年までの二次がん発症の累積リスクが40%となっています。がんを発症しやすい他の症候群についてはまだ充分に分かっていませんが、がんを経験したお子さんは二次がんも発症するリスクが高い傾向があります。

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注意事項

小児がん経験者は二次がんの発症リスクを高めるような行動を控える必要があります。例えば、ホジキン病経験者は喫煙により肺癌を発症するリスクが高くなります。皮膚癌の発症リスクは日焼け止めを塗れば低下できると考えられています。また、リスクを高めるような有害物質には接触しないように注意する必要があります。健康的でバランスのよい食事と運動は健康維持のために重要であり、二次がん発症のリスクを低下できる可能性があります。さらに情報を得るためには、米国対がん協会のウェブサイト(※訳注:英文サイトです)をご覧ください。

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予後

二次がんの予後については十分な報告がありません。がんの種類、病気の進行度、および選択した治療によって異なると思われます。最初の治療が今後の治療に影響することもありますが、二次がんを適切に治療することが大切です。二次がんを発症した場合は、二次がんについての知識を持っている医師の診療を受けるべきです。最も適切な治療を行ってくれる医師を探してもらえるように、小児がんの担当医に協力してもらいましょう。

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【参考情報】

晩期合併症に関する詳細な情報は、以下のウェブサイトで参照できます。(※訳注:全て英文サイトです。)

Robert Goldsby [MD] UCSF School of Medicine-

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