無腐性壊死症(AVN、骨壊死症)

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無腐性壊死症(AVN)は骨壊死症とも言いますが、骨に血液が供給されなくなることによって起こります。血液の供給が断たれる(無血管状態になる)と、骨組織の破壊(壊死)が始まります。これによって骨が弱くなり、やがて陥没してしまいます。AVNはどの骨にも起こる可能性がありますが、大腿骨のような長い骨の端部に起こるのが最も一般的です。その他に起こりやすい部位としては、上腕、肩、足首の骨などがあります。AVNは単一の骨に起こることもありますが、複数の骨に同時に起こるほうが多いようです。AVNの初期段階は無症状ですが、進行するにつれてほとんどの人が関節に痛みを感じるようになります。影響を受ける骨の部位や範囲、骨自体の回復力の程度によっては、AVNが日常生活に支障を来す状態になることもあります。AVNが進行すると疼痛や関節炎を引き起こします。

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AVNのリスク要因

がん患者にみられるAVNの最も多い原因は副腎皮質ステロイド(プレドニゾン、デキサメタゾンなど)です。AVNのリスクを高めるその他の要因としては、体重を支える骨に対する大量の放射線治療、慣用電圧放射線治療(1970年以前に一般的に使用されていた)、治療時の年齢が10歳を超えている場合、鎌状赤血球貧血症を患っている場合などがあげられます。AVNはがんの治療中に起こることが最も多いですが、がん治療の終了後に発症する場合もあります。

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AVNの診断

AVNは多くの場合、X線検査によって診断されます。X線検査で他の骨痛の原因(骨折など)と区別することができます。初期段階だと、X線検査では異常がないように見えてしまうこともあるので、診断を確定するためにMRI、CTもしくは骨スキャンのようなその他の検査が必要になります。骨生検のような外科的処置によってAVNの診断を確定することもできますが、一般的には必要ありません。

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AVNの治療

AVNの治療目標は、罹患した関節の働きを改善する、痛みを軽減する、骨の損傷を食い止める、そして確実に関節を残せるようにすることです。治療として手術を行うか、行わない(保存的治療)かの決定は、患者の年齢、AVNの病期(初期なのか進行期なのか)、罹患した骨の位置と程度、がんの病状とその治療の状態などの多くの要因に左右されます。

保存的治療では、痛みを軽減する薬物療法、体重負荷の軽減(松葉杖が使用される場合が多い)、関節の柔軟性を保つための理学療法による関節可動域訓練、骨の再生を促すための電気刺激療法のうち、一つもしくは複数を組み合わせて行います。

保存的治療は永続的な効果をもたらすとは限らないため、手術が必要になる場合もあるかもしれません。現在行われている術式には、関節形成術、関節置換術、骨切り術(骨の位置を変える方法)、骨頭穿孔術(罹患した骨の内層部を取り除いて減圧する方法)などがあります。

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AVNの予防や治療に役立つこと

  • ランニング、跳躍、フットボール、サッカー、バレーボール、バスケットボールなど、関節に多大な負担がかかる運動は避けましょう。
  • AVNに罹患した関節に良い運動は水泳とサイクリングです。
  • 推奨される運動を行い、痛む時は関節を休めましょう。
  • 症状に変化があったら、担当医や理学療法士に伝えましょう。
  • 鎮痛剤や抗炎症剤は処方通りに服用してください。

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【参考情報】

  • 米国立関節炎・筋骨格・皮膚疾患研究所(National Institute of Arthritis and Musculoskeletal and Skin Diseases)
    米国立衛生研究所(National Institutes of Health)
    Webサイト http://www.niams.nih.gov (※訳注:英文サイトです)
  • 米国整形外科学会(American Academy of Orthopaedic Surgeons)
    Webサイト http://www.aaos.org (※訳注:英文サイトです)
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