がん遺伝子検査

 がん遺伝子検査には、少数の遺伝子を調べるものと、1回の検査で大量のゲノムデータを調べるがん遺伝子パネル検査(以下、パネル検査)があります。パネル検査にも数種類あり、既に保険適用となっている治療薬を検討する検査(コンパニオン検査)と、標準治療が無い場合や治療終了の患者さんを対象に、何らかの治療法を調べる検査(がん遺伝子プロファイリング検査)があります。

 適用要件もあるので、事前にインフォームド・コンセントで説明を受けましょう。

 

【説明にあたり】

・事前準備として、パンフレットや動画コンテンツなどが活用される場合もあります。

・検査前や結果の説明は、主治医や専門家(がんゲノム医療コーディネーター、
 臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラーなど)が行います。

・遺伝や遺伝性疾患に関する悩みや不安があれば、
 専門家による遺伝カウンセリングを受けることもできます。

・小児など患者さんが判断することが難しい場合は、
 親御さんにも説明が行われます。

 

【説明内容】

・具体的には、検査の目的、何を採取するか、検査方法、解析機関、データを
 共有する機関はどこか、検査で期待されることや限界があること、などです。

・検査で得られた情報について、「家族や他の誰かと共有したい」「研究や医療者教育
 に活用してもよい」「誰かとの共有や研究活用は一切望まない」「今は、家族に関わ
 る遺伝性疾患については知りたくない」など希望がある場合は、主治医や専門家に
 積極的に相談しましょう。

・研究での活用については、「情報提供を同意したが、変更したい」「データバンクか
 ら他の機関への情報提供は希望しない」「他の機関への提供に同意していたが、
 今後は停止したい」など、意志変更や同意撤回も可能です。ただし、既に活用された
 分については削除できません。

・いずれの場合も、主治医や専門家と相談しましょう。

 

【費用】

・検査には保険適用になる場合と、ならない場合があります。また、
 遺伝カウンセリングや遺伝学的検査などでも保険の対象外になることもあります。

・担当医や専門家に確認しておきましょう。

 

【参考】

国立成育医療センター『小児がんとがんゲノム医療』
https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/cancer/cancer_genome.html

首相官邸HP『ゲノム医療実現推進委員会』
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/genome/genome_jitsugen.html

 

日本版更新日:2021年6月
トップページへ戻る