ウィルムス腫瘍などの腎腫瘍

ウィルムス腫瘍(腎芽腫)

ウィルムス腫瘍は、小児の腎臓がんの中で発生頻度が最も高いものです。腎芽腫とも呼ばれています。英語では“nephroblastoma”と言い、“nephro”は腎臓、“blastoma”は芽細胞腫のことです。つまり、腎臓が発生してくる基になる胎児性細胞で形成された腫瘍です。ウィルムス腫瘍は、小児がん全体の約7%を占めており、米国では毎年、約500人がウィルムス腫瘍と診断されています。そして、そのおよそ75%が5歳未満で診断されています。

体内のどの器官もそうであるように、腎臓もまた母体内で完成します。ウィルムス腫瘍は将来腎臓になる後腎芽と呼ばれている細胞が成熟する過程に問題が起こることで発症します。すなわち、異常が生じた後、腎芽細胞が無制限な増殖を起こし、ついにはウィルムス腫瘍と呼ばれる腫瘍となります。

通常、ウィルムス腫瘍は片側にのみ発生しますが(片側性)、両側に発生する場合もあります(両側性)。ウィルムス腫瘍は、かなり大きく成長するまで発見されない場合があります。しかし、大半は他の部位に転移する前に発見されます。

ウィルムス腫瘍の原因は解明されていませんが、この腫瘍の一部はいくつかの遺伝子に異常があった場合に発生すると考えられています。この遺伝子変化は体内のその他の細胞には発生せず、腎臓の細胞にのみ生じることがほとんどですが、一部の症例では腎臓以外の部位にも遺伝子変化がみられることがあります。一部のウィルムス腫瘍の患児は、眼の虹彩の欠損(無虹彩症)もしくは尿路の異常などの先天的な異常を持って生まれてくる場合があります。ごく稀ですが、ウィルムス腫瘍は家族間の発症がみられることがあり、このような例では遺伝性の疾患である可能性があります。

その他の腎腫瘍

2番目に多い腎腫瘍は、腎明細胞肉腫(CCSK)です。腎明細胞肉腫の症状、診断のための検査、治療法は、ウィルムス腫瘍とよく似ています。腎明細胞肉腫の特徴は以下の通りです。

  • はるかに広範囲に転移(身体の他部位への腫瘍の広がり)が起こるが、増殖と転移はゆっくりしている。転移は、肺、脳、骨および軟部組織などに起こる。
  • ウィルムス腫瘍より再発率がはるかに高い。
  • 治療法は、より進行した病期のウィルムス腫瘍の治療法に近い。

その他の腎腫瘍には次のようなものがあります。

  • 腎細胞癌
  • 悪性腎ラブドイド腫瘍
  • 先天性中胚葉性腎腫
  • その他の腎臓肉腫

米国版の更新時期: 2011年7月
日本版の更新時期: 2012年7月

 

※詳細は下記ページを参照してください

前のページへ戻る