再発

治療の目覚ましい進歩にも関わらず、最良の治療を行っても時としてがんが再び現れることがあります。これを再発(または再燃)と呼びます。再発が起こるということは、最初にあったがん細胞のうちのごく一部が初期治療で破壊されなかったということです。少量のがん細胞が身体の他部位へと広がっていても、検査で検出できず、治療直後の経過観察ではわからないために再発が起こります。

がんが再発すると、ショックを受けたり不信感を持ったりすることでしょう。「なぜこのようなことが起きてしまったのか?」とか「指示された通りのことができなかったから病気が再発してしまったに違いない」などと思ってしまうかもしれません。親御さんの中には、回復への希望を持たせようとすることがお子さんをだましているようで罪の意識を感じるという人もいます。親御さんが何も間違ったことをしていないと理解することは大変重要です。また、誰かが自分たちを間違った方向に導いたのではないかと、治療チームに対して怒りを感じることも珍しいことではありません。こうした気持ちについては遠慮せずに治療チームと話し合うべきでしょう。

多くの親御さんが再発の時には最初の診断時よりも強い感情が湧くと報告しています。一般的に家族は、置かれている状況への悲しみや怒り、困難に圧倒されるような感情を持ち、少しは良い方向に予想することができる最初の診断時よりも複雑な気持ちになります。そして、再発していない他の子どもの家族との「違い」も痛感します。 これらの様々な感情と戦いながら、新しい治療目標をどうするか、その目標を達成するための最良の治療法は何かについて治療チームと話し合う必要があります。主治医と話し合うべき質問事項は以下の通りです。

  • 今回の再発を治せる可能性はどのくらいありますか?
  • (完治が難しい場合)どのくらいの期間、この再発をコントロールできる見込みがありますか?
  • この状態における標準治療はどのようなものですか?
  • 今の状況に研究的な治療(臨床試験)への参加という選択肢は役立ちますか?それは今の治療施設で参加可能でしょうか、それとも他施設への転院を考える必要があるでしょうか?
  • それぞれの選択肢によって予想される子どもへの影響(医学的、心理的、社会的な影響)にはどのようなものがあるでしょうか?
  • 治癒の望みがまだあるのに緩和ケアを行うことは適切なのでしょうか?
  • 今後、がんはどのように経過観察していきますか?
  • なぜうちの子に再発が起きたのでしょうか?

再発に関する治療方針を決める際に、セカンドオピニオンを強く希望するご家族もいます。自分の子どもを救うためにできるだけのことをし、最も効果的な治療を確実に受けさせるために最大の努力をすることなので、これは理解できる行動です。もしセカンドオピニオンを希望するのであれば、セカンドオピニオンの担当医にお子さんに関する正確な治療サマリー(※訳注:これまでの患児の臨床経過、診断・治療歴などの概要をまとめた書類のこと)を渡せるように治療チームと話し合う必要があります。多くのご家族は再発時に補完代替治療も検討しています。このことについても治療チームと話し合いましょう。

再発時にはご家族が再び心を強く持つための支援が必要です。自分の忍耐力が試されているという気持ちになることもあるかもしれません。怒りや悲しみ、恐怖、落ち込む気持ち、絶望などの否定的な感情を、新しい治療計画書を理解することやお子さんとご家族のための目標へと向け直す必要があります。完治が可能でない場合には、治癒だけに目標を合わせるのではなく、残された時間をできる限り有効に使うという現実的なものに変えることも大切です。お子さんの治療施設には、ソーシャルワーカーから臨床心理士、地域の支援グループ、緩和治療チームまで、利用できる支援者がたくさんいるはずです。

再発したがんの治療が成功する可能性は患児によって異なるので、担当の治療チームとよく話し合いましょう。治療の成功は、原発がんの種類、最初に行われた治療の内容、治療終了後からの期間、そのお子さんの健康状態などに左右されます。

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